[14日 ロイター] - 米金融大手シティグループが14日発表した第1・四半期(3月31日まで)決算は、貸し出しから得る利息収入が増加したことで、利益が予想を上回った。
第1・四半期の純利息収入は133億ドルと、23%増加。同時に、潜在的な貸付損失に備え、引当金を2億4100万ドル積み増した。
1株当たり利益は1.86ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト平均予想の1.67ドルを上回った。
純利益は46億ドル(1株当たり2.19ドル)と、前年同期の43億ドル(同2.02ドル)から7%増加した。
マーク・メイソン最高財務責任者(CFO)は電話会見で記者団に対し、下半期に穏やかな景気後退に陥る可能性があることを踏まえ、向こう数四半期に融資返済の滞りが増えると予想していると述べた。ただ減速は「穏やかなものになると見ており、準備はできている」とした。
アナリストは、景気減速で融資需要が抑制され、向こう数四半期は銀行業界全体で収益性を示す純金利マージン(NIM)が低下すると予想。メイソンCFOは、シティグループはすでに消費者向けの融資基準を厳しくしているとし、地方銀行や商業用不動産を中心にリスクを監視していると明らかにした。
第1・四半期末の預金残高は1兆3300億ドルと、前年同期末、および前四半期末からほぼ横ばいだった。投資家がより高い利回りを求めて資金をマネーマーケット・ファンドに移した。メイソン氏は、3月に主に企業顧客からの預金が回復したとしている。
投資銀行部門の収益は市場低迷を受け、前年同期比25%減。ただメイソンCFOは、同部門の回復について慎重ながらも楽観的な見方を示した。