[広州 16日 ロイター] - 中国最大の貿易見本市である広州交易会に出展した中国の輸出企業は、世界経済の低迷が事業に打撃を与えており、多くの企業が投資を凍結し、一部企業は人件費を削減していると明かした。
中国が新型コロナウイルス関連規制を解除して以来初めてとなる大規模見本市は、米国と欧州の金利の急上昇が中国製品の需要に打撃を与える中で開催された。
クリスマス用ライトを生産するメーカーの幹部は、今年の注文は昨年より30%減少していると説明。「昨年は物流と生産の混乱という問題に直面したが、地元政府が問題解決へ支援してくれた。今は外的な問題があり、われわれはそれを解決することができない」と語った。その上で「ウクライナでの戦争による電気料金の高騰で、装飾品の需要がさらに減少するため、今年は最も厳しい年になるだろう」と悲観的な見通しを示した。
同社は低価格で製品を販売する余裕はないが、人件費の削減を検討する可能性はあると述べた。
換気扇メーカーの幹部も1─3月期の受注半減を受けて、コスト削減について同様の考えを示し「われわれの工場では、注文があれば従業員は出勤する」と語った。以前は週末も残業が続いていたが、今年は週末に休日を取得するのが一般的になっていると打ち明けた。
浙江省寧波市でシェーバーを製造する業者は既に人員を削減し、注文状況が改善されない場合は今後数カ月の間に値下げを行うと述べた。
多くの業者はロイターに対し、需要低迷を踏まえ、今年は生産ラインの改善にあまり費用をかけるつもりはないと回答した。