[27日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が27日発表した3月の中古住宅販売仮契約指数は前月比5.2%低下の78.9と、2022年12月以来、4カ月ぶりの低水準となった。ロイターがまとめた市場予想の0.5%上昇に反してマイナスとなった。金利上昇で打撃を受けた住宅市場に回復の兆しがあるとの観測に警鐘を鳴らした。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅の在庫不足が販売増の主な制約となっている」と述べ、「全販売物件の約3分の1に複数の購入オファーがある状況で、28%の住宅が提示価格を上回って販売されている。限られた住宅供給が全国的に需要に見合っていないだけだ」との見方を示した。
地域別では南部がやや増えた一方、北東部、中西部、西部は減った。
NARが20日に発表した3月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比2.4%減り、住宅市場が最悪期を脱した可能性があるとの楽観的な見方を覆した。中古住宅に比べて規模がずっと小さい新築住宅市場ではいくらか底堅い動きが続いているが、中古住宅の指標は住宅市場全体の回復が不安定な可能性を示唆している。
ユン氏は雇用の伸びが続き、住宅ローン金利が現在の6.55%から年末までに約6%まで低下すると予想し、今年後半には販売が改善するはずだとの見方を示した。