[16日 ロイター] - 独欧州経済センター(ZEW)が16日発表した5月の独景気期待指数はマイナス10.7と予想以上に低下した。今後6カ月で景気が一段と悪化する可能性が示された。
ZEWのワムバッハ所長は「独経済はリセッション(景気後退)に陥る可能性がある。ただ穏やなものになるだろう」との見方を示した。
ロイターがまとめたエコノミストによる期待指数の予想はマイナス5.3。4月は4.1だった。同指数がマイナスになるのは2022年12月以来。
ワムバッハ氏は指数低下の一因として、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続予想を挙げた。
現況指数もマイナス34.8と4月のマイナス32.5から低下した。
INGのマクロ担当グローバルヘッド、カールステン・ブルゼスキ氏は「ZEW指数の3カ月連続低下は悪い方向への転機となった。今年初めから経済成長に対する期待が浮上していたとしても、そうした期待は消滅する」と指摘。ドイツのマクロ経済データの低迷、米債務上限問題、銀行部門の混乱、追加利上げ観測で楽観論が後退していると述べた。
パンセオン・マクロエコノミクスのユーロ圏担当チーフエコノミスト、クラウス・ビステセン氏は「ポイントは(ドイツ経済が)事実上停滞していることだ」と述べた。