[上海/シンガポール 24日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が今週香港で人民元建て中央銀行手形の発行規模を増やしてオフショア市場の流動性引き締めを促したのは、投機筋の売り持ちコストを引き上げるという意味で、人民元の安定に寄与する――。上海証券報は24日、人民銀行元幹部の1人がこうした見解を示したと伝えた。
人民銀行は22日、満期を迎えた中央銀行手形250億元よりも多い350億元を発行した。通常は満期分と同額を発行する金融調節を行っており、今回は人民元の流動性を吸収したことになる。
元高官は、このような措置は最近の人民元を取り巻く状況に関係している可能性があり、外国為替市場の期待安定化につながると説明。人民元レートは一方的に下落せず、上下両方向での変動が続くはずで、もしもオフショア人民元の下げ余地が根強いなら人民銀行はより多くの中央銀行手形発行を続けてもおかしくないと付け加えた。
オフショア人民元の対ドルレートは年初来で約5%下がり、アジアで最も値動きのさえない通貨の一つになっている。