[29日 ロイター] - 構成する米株式の荷重を等しく設定した均等荷重上場投資信託(ETF)への投資が、この数カ月で過去最高を記録した。米景気に改善の兆しが表れるとともに、「ビッグテック」など時価総額が極めて大きい銘柄の価格高騰により、投資家が従来型経済と関連するセクターで割安な銘柄を物色するようになってきたためだ。
構成銘柄の時価総額に応じて比重を変える指数では、大企業の株価動向が指数全体に影響しがちだが、均等配分型では構成銘柄の比重が時価総額にかかわらず等しい。
人工知能(AI)や米連邦準備理事会(FRB)の利上げ打ち止め観測を巡る楽観論からハイテク株は今年に入って大幅に値上がりし、資産運用会社は大型株に対して慎重になっている。
その結果、投資家はビッグテック以外にも投資先を広げようとしており、より分散的なアプローチを採り、エネルギーや製造業など従来型経済に関連するセクターへの投資機会を提供する均等荷重ETFの人気が高まっている。
リフィニティブ・リッパーのデータによると、S&P500イコールウェート指数に連動するインベスコS&P500イコールウェートETF(420億ドル)には6月初めから8月25日までに88億ドルが流入。6月の流入額は48億5000万ドルと、2003年の立ち上げ以降で最大だった。
一方、時価総額加重型のS&P500指数に連動するSPDR S&P500ETFトラスト(4020億ドル)は同じ期間に108億8000万ドルが流出。7月の流出は約40億ドルと、過去5カ月で最大だった。