Christian Kraemer
[メセベルク(ドイツ) 30日 ロイター] - ドイツのショルツ内閣は30日、低迷する経済の活性化に向け、4年間で320億ユーロ(347億7000万ドル)規模となる法人減税策を承認した。企業のグリーン投資コストの15%を賄う補助金も盛り込まれている。
実現にはドイツ議会の通過と各州の承認が必要になる。
ただ減税規模は経済の大きさからすれば控えめで、エコノミストや経済団体からは不十分との批判も出ている。
ドイツ経済は第2・四半期に停滞し、冬季のリセッション(景気後退)から回復する兆しは見えていない。
ショルツ首相はベルリン郊外のメセベルクで閣議決定した法人減税を柱とする景気対策「成長機会法案」について、成長促進に向けた措置に的を絞ることでインフレの再加速につながらないよう図る必要があると強調した。
30日発表の同国8月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比6.4%上昇と、伸びは前月の6.5%から鈍化したものの、ロイターがまとめた予想の6.3%を上回った。
法案は2024─28年の4年間を対象に、企業によるグリーン投資を後押しするほか、研究活動を税制面で優遇し、企業が赤字を他の年度の利益で相殺する余地を広げる内容。
内閣は一方、企業の電気料金負担を抑制するための価格上限に関する合意には至らなかった。
ショルツ氏は政府が昨年、エネルギー価格高騰の家計や企業への影響を和らげるために多くの資金を投じたと指摘。足元の価格下落で企業の負担は和らいだとの認識を示した。