Leigh Thomas
[パリ 14日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は14日に公表した最新の長期経済予測で、先進国と主要新興国の成長率が今後数十年でほぼ半分に減速するとの見通しを示した。債務の増大を抑制するために増税が必要になると指摘した。
クリーンエネルギーへの転換を加速させることが経済活動をさらに圧迫する可能性があるとする一方、効果的なカーボンプライシング制度は一部の政府にとって思いがけない収入をもたらす可能性があるとも指摘した。
OECDは加盟38カ国と20カ国・地域(G20)のトレンド成長率が徐々に鈍化し、新型コロナウイルス禍前の3%から2060年までに1.7%になると予想。多くの国で高齢化により労働人口が減少するほか、新興国で労働効率の伸びが鈍化するためという。
OECD加盟国のトレンド成長率が1.8%から60年に1.3%に鈍化すると予想される一方、G20新興国は4.5%から2%とより大きな減速が見込まれている。
また、30年代終盤にはインドの世界経済成長への寄与度が中国を上回る見通しだが、中国は予測期間を通じて最大の経済大国であり続けるという。
OECD加盟国は景気減速に伴い、債務を現在の水準に維持するために60年までに平均6%ポイント超の増税が必要になるとした。
増税を実施したくない、あるいは実施できない政府は、医療・年金制度改革など、財政逼迫を緩和する他の方法を見つける必要があるとした。