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WTO、財貿易量伸び見通しは「過度に楽観的」=エコノミスト

発行済 2024-01-30 05:18
更新済 2024-01-30 05:27
© Reuters. 世界貿易機関(WTO)のチーフエコノミスト、ラルフ・オッサ氏は29日、WTOは世界経済の低迷とスエズ運河を通過する海運の混乱による影響を理由に2023年と24年の財貿易量

Philip Blenkinsop

[ブリュッセル 29日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)のチーフエコノミスト、ラルフ・オッサ氏は29日、WTOは世界経済の低迷とスエズ運河を通過する海運の混乱による影響を理由に2023年と24年の財貿易量の伸び見通しを下方修正する可能性が高いと述べた。

WTOは約2カ月後に最新の予測を発表する予定。

昨年10月時点では23年で0.8%、24年で3.3%と見込まれていたが、オッサ氏はロイターに対し、いずれも「過度に楽観的」と指摘。23年は第1─3・四半期が前年同期比1.4%減となり、第4・四半期はやや好調だったものの、「現時点では(23年の伸びは)0.8%を下回る可能性が高い。プラスになるかマイナスになるかは分からない。欧州は予想以上に悪く、中国の新型コロナ禍後の回復は想定ほど強くなかった」とした。

24年については、多くの国際機関が国内総生産(GDP)成長率見通しを下方修正しており、WTOの貿易量見通しにも影響を及ぼす可能性があると言及。一方で「確かに国際貿易に逆風が吹いているが、世界経済全般、特に国際貿易が驚くほど回復しているという全体像も忘れてはならない」とした。

同時に、23年上半期に前年同期比9%増となったサービス貿易の持続的な拡大を強調。デジタル配信サービスが急増しているとした。

スエズ運河の混乱に関しては、最も可能性が高い影響として輸送コストの上昇に伴う消費者物価の上昇と予想。混乱が続けば、欧州でもインフレへの影響が出てくるだろうが、それは極端なものではなく、コンマ数パーセントポイント程度になる可能性が高いとした。

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