[上海 30日 ロイター] - 中国の10年物国債利回りが30日、20年超ぶりの水準に低下した。投資家は、先週の銀行預金準備率引き下げに続く、株価下支えに向けた一段の政策緩和を期待している。
10年物国債先物は2015年の導入後の最高値を記録。
市場関係者は、デフレ圧力が根強く、利下げが正当化されると指摘している。
中国株式市場は新たな空売り規制にもかかわらず、低迷が続いており、何立峰副首相は29日、資本市場の安定を図るため、上場企業への支援を強化するよう呼びかけた。
マッコーリーの中国担当チーフエコノミスト、ラリー・フー氏は先週の政府の行動で市場の地合いは改善したが、中国経済や政策の見通しは変わっていないと指摘。
「中国経済、特にデフレや不動産に対する投資家の懸念に対処するには、言葉ではなく行動が必要だ」と述べた。
10年債利回りは2.47%を下回り2002年6月以来の低水準になった。10年債先物3月限は20年4月以来の高水準を付けた。
30年債利回りは過去最低の2.71%まで低下した。
昨年大きく下げた中国株式市場は、今年に入っても売りが続き、優良株は一時5年ぶり安値を付けた。その後、やや持ち直したがそれでも年初から約4%下げている。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、先週の銀行預金準備率の大幅な引き下げに続く措置として、第1・四半期と第3・四半期に利下げ、第2・四半期と第4・四半期に追加の銀行預金準備率引き下げを予想する。
西部証券のアナリストは、金融政策は目先、均衡の取れた緩和スタンスを維持し、資金調達環境は債券市場にとって有利なものになるとみている。