Xinghui Kok Joe Brock
[シンガポール 16日 ロイター] - シンガポールのウォン財務相は16日、2024年予算について、家計や企業へのインフレ圧力に対抗するため支出を拡大すると述べた。
また、経済協力開発機構(OECD)が主導する15%の国際的な最低法人税率を導入し、さらなる歳入を確保すると議会で表明した。
政府の中期的な財政状況は厳しいが、全体的なスタンスは「的を絞った支援を行っているので適切」と説明。24年度には8億シンガポールドル(国内総生産の0.1%)という小幅な黒字を見込んでおり、「基本的にバランスの取れた財政状態」だという。
「今年はインフレ状況の改善が期待されるものの、先行きには不透明感がある」と指摘。「インフレに対処する最善の方法は企業や労働者の生産性を向上させ、実質所得を増加させることだ」とし、家計への支援に19億シンガポールドル(14億1000万ドル)上乗せするほか、企業向けには最大4万シンガポールドルの法人税控除を盛り込んだ13億シンガポールドルの支援策が導入されると述べた。
今年の国内総生産(GDP)伸び率を1─3%と予測。23年は前年の3.8%から1.1%に低下した。
ただ、首相に就任する見通しのウォン氏は、GDPが全てではなく、財政的な制約や労働力や土地を巡る問題から国の成長スピードには限界があるため、政府は何が何でも成長を推し進めるわけではないとも述べた。