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NYの視点:ECB理事会でQE拡大も検討へ、実施は見送りか

発行済 2015-10-22 07:18
更新済 2015-10-22 07:33
NYの視点:ECB理事会でQE拡大も検討へ、実施は見送りか
欧州中央銀行(ECB)は22日にマルタで開催する定例理事会で現在1.1兆ユーロ規模で実施されている量的緩和(QE)の拡大を検討することになる。
ただ、マルタで開催される理事会で、政策の変更が決定される確率は低く、実施は見送られる可能性が強い。
メンバー間でも「必要とあれば、量的緩和(QE)の規模や、構成、期限の修正が可能」としているものの、「時期尚早」との見方が依然として強い。
ドラギECB総裁は最新の講演で、現状では量的緩和(QE)の拡大を協議するのは時期尚早との見解を示している。
ノワイエ仏銀総裁も今週の講演で、量的緩和(QE)のペース、サイズは現状で「適切」との見解を示した。
主要金融機関のエコノミストは、9月の会合と違い会合後の記者会見において、ドラギECB総裁がQE拡大を協議したことを示唆する可能性があると指摘。
また、「ECBは預金ファシリティレートをマイナス0.2%以下には引き下げない」とした公約をドラギECB総裁が撤回するかどうかにも注目している。
弱い域内の景気回復を支援するため、欧州中央銀行(ECB)は今年1月に各月600億ユーロ規模の資産購入を2016年9月まで継続する量的緩和(QE)を発表。
にもかかわらず、域内でエクスポージャーが多い中国の経済が悪化、経済へのさらなる影響が懸念されている。
同時に、中国や新興諸国の経済の悪化が果たして、ECBの量的緩和(QE)拡大などの追加緩和導入を決定する十分な理由になり得るかどうかはまだ定かではない。
量的緩和(QE)ペースの拡大、または預金金利の引き下げは海外のリスクが悪化するか、ユーロが急伸した場合に限定されるとの見方が強い。
ベースシナリオは、量的緩和(QE)を期限を2016年9月からさらに延長することだと見られている。
ただ、サプライズで追加緩和が発表された場合、ユーロは急落が予想される。
追加緩和の選択肢としては量的緩和(QE)の拡大、又は、預金金利の引き下げの可能性が考えられている。
ゴールドマンサックスのストラテジストは、もし預金ファシリティレートが10ベーシスポイント引き下げられた場合、ユーロ・ドルは1.11ドル台へ下落する可能性があると指摘。
ドラギECB総裁、欧州中央銀行(ECB)は速やかな預金金利の引き下げや量的緩和(QE)の拡大はないとしても、必要とあれば資産購入の拡大に加えて利下げの余地があることを市場に伝達することが回復への自信強化を支援することになる。

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