[東京 30日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル
午後3時のドル/円は、前日二ューヨーク市場午後5時時点に比べて、ドル安/円高 の112.28/30円だった。前日の米連邦準備理事会(FRB)議長の講演がハト派 的な内容で、米国の早期利上げ観測が後退。日経平均株価も寄り付きからマイナス圏で推 移し、ドルの上値追い機運は盛り上がらなかった。
朝方112.70円台を中心にもみあっていたドルは、日経平均株価の下げ幅拡大に ともなって下押しされ、一時112.39円まで下落した。その後、実需筋のドル買い/ 円売りフローが優勢となり、仲値公示を挟んで朝方の水準を取り戻したが、それ以上の上 昇には材料が不足した。 市場では「FRB議長の講演を受けて4月の利上げ期待は落ち着いたが、6月の可能 性は残されている。今週末に雇用統計も控えており、動きづらい」(邦銀)との声が出て いた。 午後にかけて株価が一時200円超安となる中でドル/円も上値が重く、一時112 .22円まで下押しし、今日の安値を更新した。
<目先は111─114円レンジか>
ドル/円は上値の重さが意識されるものの、底堅くもあるとして「6月のFOMCが 視野に入るころまで、111─114円中心のレンジ推移になるのではないか」(ブラウ ン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト、村田雅志氏)との指摘が出ていた。 再燃しかけていた早期利上げへの思惑がしぼんだことで、上値は重い。先週から相次 いでいた米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派的な発言を、イエレンFRB議長 の講演でのハト派発言が打ち消す方向で作用した。 もっとも、伊勢志摩サミットや今夏の選挙を控えた政策期待の盛り上がり、円債での 運用難を受けた外債シフトの広がりが見込まれ、日本サイドではポジティブな話が出やす いとみられ、目先では底堅さも意識されている。
(為替マーケットチーム)