[ロンドン 12日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は12日に発表した月報で、2022年の世界石油需要の増加を日量336万バレルとし、前回予想から31万バレル下方修正した。引き下げは2カ月連続となる。
ロシアのウクライナ侵攻やインフレ高進、中国での新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染再拡大が要因。
ウクライナ戦争によって原油価格は3月に一時1バレル=139ドル超と08年以来の高値を付け、インフレ圧力を高めた。中国が新型コロナ感染対策の厳格なロックダウン(都市封鎖)を導入したことで、20年以来の石油需要急減に直面しているとも指摘している。
ただ、それでも世界の消費量は22年第3・四半期に日量1億バレルの大台を超え、22年平均はパンデミック前の19年をやや上回ると予想している。
OPECはインフレ高進と金融引き締めの継続を背景に22年の世界経済成長率予想を3.9%から3.5%へ引き下げ、上振れの可能性は「かなり限定的」との見方を示した。
月報によると、4月のOPECの石油生産量は日量で15万3000バレル増えて2865万バレルとなった。OPECと非加盟の主要な産油国で構成する「OPECプラス」の合意に基づき、OPECに認められている日量25万4000バレルの増加幅を下回っている。
22年のOPEC以外の供給は日量240万バレル増加になると予想し、従来予想より30万バレル下方修正した。また、ロシアの生産量見通しを日量36万バレル引き下げた。
一方、米国の22年の石油供給量は日量88万バレル増えると予想。前月予想を据え置いたが、今年後半に引き上げる可能性があると指摘した。