午後3時30分から黒田日銀総裁の記者会見が行われたが、追加緩和について従来以上に踏み込んだ発言はなかった。
FRBやECBが金融緩和を行った場合、これに追随する可能性があるのか?との記者からの質問に、毎回の金融政策決定会合にて検討することになるが、「物価安定のモメンタムが失われる可能性があれば躊躇なく追加緩和を検討する」と総裁は述べた。また、今回の会合では世界経済の動向について深く議論したと述べ、下ぶれリスクが高まっていると認識しているとも付け加えた。ただし、メインシナリオとしてIMFでも発表しているように今年後半から世界経済は回復すると考えているとも述べた。
G20では各国の第1四半期GDPがよかった国が多く、暗い見通しをもっている雰囲気ではなかった。対メキシコ関税が撤廃されたので安堵しつつも保護貿易への懸念は高まっていると感じているとも発言した。
購入しているETFの出口政策には「ETF貸出は検討中であり、関係者と議論している。財務大臣の許可がいることでもあり実行するとしても時間がかかる」と述べた。また「年間6兆円を上限に買入れする方針に変化はまったくなく、日付を切ってやめるというようなことは考えていない。物価2%が達成すれば出口戦略は議論されるだろうが、現時点では考えていない」と付け加えた。
107円台になった為替レートについては「レートを決める理由は諸説あり、金利格差だけで決まるというわけではないと考えている。FOMCが為替に影響したのは事実だが、円があがったわけではなくドル安になっただけだ。金融政策は為替レートを目的にしておらず、これを理由に金融政策を決めることはない」と述べた。