[27日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)のグルーエンバーグ総裁らが昨年11月に開かれた銀行破綻に関する諮問委員会で、大規模な地方金融機関が金融安定性にもたらす危険性への懸念を表明していたことが分かった。委員会会合の記録をロイターが確認した。
FDICの複数の関係者はこの中で、地方銀行の預金残高の「大部分」が無保険だとして、他の銀行への「波及効果」を警告。FDICが地銀破綻処理で直面しかねない課題を認識していたものの、3月の破綻までに主要問題を解決できなかったことが浮き彫りとなった。
「システミック・レゾリューション諮問委員会(SRAC)」は、元規制当局者や現職経営幹部を含む銀行、法律、金融、経済界の有力者で構成されている。会合は公開されていたが、詳細が報じられたことはこれまでなかった。
会合記録によると、グルーエンバーグ総裁は、2008年の金融危機以降、規制当局は「グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIB)」とされる最大手行の安全性に注意しているが、一部の地方銀行で規模と複雑さが増していると指摘。「これらの大規模な銀行機関の一つが破綻すれば金融安定性に影響を及ぼす巨大な問題になりかねないことを認識した」と述べた。
FDICにこの会合についてのコメントを求めたが、回答は得られなかった。