世界同時株安の進行や、欧州銀行の業績悪化などを受け、新たな金融危機がやって来るとのネガティブな見方は最近やや台頭している。 また、ドイツ銀行の15年決算で過去最大の赤字を計上したことを受け、ドイツ銀が第2のリーマン・ブラザーズになるとの悲観的な見方も出ている。
一方、中国メディアは、世界の株式市場の波乱がしばらく継続するものの、新たな金融危機が発生する可能性が低いとの見方を示した。
欧州銀行の収益性悪化などの問題が顕在化しているものの、米国の銀行の資産内容が安定している上、原油価格の下落が米国の銀行に与える悪影響が欧州銀行より低いとも指摘された。
また、世界同時不況が発生した2008年以降、各国の金融当局がより厳しい基準を銀行業に適用させているため、現在の銀行業のリスク・マネジメント能力が向上しているとも強調された。
さらに、世界経済のファンダメンタルズがそれほど悪くないとも指摘されている。
米経済成長が安定しているほか、中国の経済成長が減速しているものの、引き続き高い成長率を維持していると強調された。
世界的な金利水準が低いため、今年の世界経済の成長率が2008年以来の平均成長率3.5％を上回ると予測されている。