[22日 ロイター] - スウェーデンの通信機器大手エリクソン (ST:ERICb)が発表した第1・四半期決算は、調整後の営業利益が市場予想を上回った。
主要市場である中国と米国が新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けたが、第5世代(5G)通信設備に底堅い需要がみられた。
通信業界は、新型コロナの感染拡大に伴う在宅勤務の拡大で需要が急増しており、エリクソンなど通信機器メーカーにも追い風となっている。
エクホルム最高経営責任者(CEO)は「新型コロナとマクロ経済情勢を背景に短期的に販売を巡る不透明感が出ているが、現時点では2020年と22年の財務目標を変える理由はない」と表明した。
米国では今年、通信会社の支出が増える公算が大きい。合併手続きを完了したスプリントとTモバイルはミッドバンド周波数帯への支出を増やす見通し。AT&T (N:T)とベライゾン (N:VZ)も独自の5G網構築に投資している。
BofAのリポートによると、新型コロナに伴う都市封鎖や景気の不透明感にもかかわらず、5G網への設備投資は底堅い。また通信は一般的に必要不可欠な事業とみなされている。
エリクソンの第1・四半期の調整後の営業利益は46億スウェーデンクローナ(4億5516万ドル)と前年同期から増加。リフィニティブがまとめた市場予想の41億3000万クローナを上回った。
総収入は2%増の498億クローナ。市場予想の520億9000万クローナには届かなかった。
粗利益率は39.8%で、前年同期の38.4%から上昇。
同CEOはネットワークス部門の粗利益率が44.6%に上昇したと指摘。複数の地域で活発な活動が行われており、事業のファンダメンタルズは良好だと認識を示した。