Cynthia Kim Jihoon Lee
[ソウル 19日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は19日、政策金利を3.50%に据え置いた。インフレ抑制に引き続き注力する中、6会合連続で据え置きを決定した。原油高を警戒し、引き締めバイアスを維持した。
ロイターがエコノミスト49人を対象に実施した調査でも据え置きが予想されていた。
中銀は、物価上昇圧力が持続し、消費者物価が目標水準に達するには従来の予想よりも時間がかかる可能性があると指摘。「主要国の引き締め政策が長期化する見通しとイスラエル・ハマス紛争を受け、8月の前回会合に比べ世界経済の成長とインフレに対する不確実性が高まった」とした。
物価安定に重点を置き、「相当な期間にわたって制約的な政策スタンス」を維持するコミットメントを再確認した。
李昌ヨン総裁によると、今回の金利決定は全会一致で、金融通貨委員会メンバー6人のうち1人は政策金利が上下双方向に柔軟であるべきだと主張する一方、他の5人は追加利上げに引き続きオープンだという。
李総裁は、国内短期金融市場のクレジットリスクは以前ほど深刻ではないと指摘。マクロプルーデンス措置について、まずは不動産価格の安定、家計債務の伸び緩和に用いられるべきとの考えを示した。
2021年8月からの計300ベーシスポイント(bp)の利上げで家計負担は増えている。
一部のエコノミストは、現在の地政学リスクを背景に中銀は緩和を急いでいないとみている。
新韓証券の債券アナリスト、アン・ジェギュン氏は「私の解釈では、原油価格の上昇がインフレ圧力に拍車をかける一方で、全ての不確実性がなお高く、中銀はさらなる引き締めのドアを開けておくことに重きを置いている」と述べた。
政策に敏感な3年債の利回りは2月の低水準からほぼ1%ポイント上昇している。
3年物国債先物は政策発表後、一時0.23ポイント下落し102.32となったが、柔軟な政策アプローチを提案したメンバーが1人いたことを総裁が明らかにしたため、下げは一部縮小した。
アナリストの大半は、第1・四半期まで中銀が金利を現行水準で維持し、24年第2・四半期に25bpの利下げを行うと予想している。
4─6月期の国内総生産(GDP)は季節調整済みで前期比0.6%増となり、ロイター調査の予想値(0.5%増)を上回り、四半期ベースでは22年第2・四半期以来の大幅な伸びとなった。