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為替週間見通し:米利上げ目前でドルは底堅い動きに

発行済 2016-12-03 14:55
更新済 2016-12-03 15:00
為替週間見通し:米利上げ目前でドルは底堅い動きに
■ドル高一服、11月の米平均時給は予想外の低下

先週のドル・円は上昇一服。
2日に発表された11月の米雇用統計で平均時給は前月比で低下し、インフレ加速の思惑はやや後退したことがドルの上値を抑えた。
ドル・円は石油輸出国機構(OPEC)の減産合意を受けて一時114円83銭まで買われる場面があった。
米長期金利の上昇が続いていることもドル買いを促した。


ただ、11月30日に公表された米地区連銀経済報告では「1、2地区でドル高が逆風として指摘された」との見解が示されていた。
また、ダラス連銀のカプラン総裁は1日の講演で「金融政策でドルの潜在的な上昇を考慮する必要がある」との見方を示しており、急速なドル高を金融当局は問題視しているとの思惑が浮上し、リスク選好的なドル買いはやや縮小した。


トランプ次期政権が計画している拡張的な財政政策によってインフレは進行し、2017年は2回以上の利上げが実施されるとの見方が広がっているが、現時点で賃金の上昇はやや抑制されている。
市場関係者の間からは、「トランプ次期政権が検討している大型減税を好感したドル買いは一巡しつつある」との声が聞かれており、長期金利の上昇を促す新たな材料が提供されない場合、「リスク選好的なドル買いがさらに広がることは難しい」との見方が出ている。
取引レンジ:111円36銭-114円83銭。


■米利上げ目前でドルは底堅い動きに

今週のドル・円は、やや底堅い動きを見せることになりそうだ。
今月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1年ぶりの利上げ決定が見込まれている。
11月の平均時給は前月比で低下したが、雇用の拡大は続いており、2017年も利上げ継続の公算は大きいことから、日米金利差の拡大を意識したドル買い・円売りは継続する見込み。


また、トランプ次期政権が計画している経済・財政政策への市場の期待は持続しており、インフラ投資拡大や大型減税などの景気刺激策によって米経済成長率はさらに高まるとの見方も後退していない。
2017年以降に利上げペースはやや速まるとの思惑が広がった場合、ドル・円は今年2月以来となる120円台への上昇が視野に入る可能性がある。


一方、原油価格については石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国の減産合意を受けて大幅に上昇しているが、WTIが1バレル=50ドルを大幅に上回ると米国内でシェールガスの生産量が増加するとの見方があり、需給関係にゆるみが生じる可能性がある。
このため、原油価格が50ドルを大幅に上回り、一段高となる可能性については懐疑的な見方もあるようだ。
また、米利上げは米国株にとっては売り材料になるとの見方が出ており、2017年以降の追加利上げを警戒して米国株が伸び悩んだ場合、ドルの上値はやや重くなる可能性がある。


【米・11月ISM非製造業景況指数(総合)】(5日発表予定)
米11月ISM非製造業景況指数(総合)は、10月実績の54.8を上回る55.2が見込まれている。
同月のISM製造業が堅調だったこともあり、景況指数改善への期待は高い。
予想をやや下回っても10月実績と同水準であれば、リスク回避的なドル売りを促す要因にはならないとみられる。


【米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(9日発表予定)
9日発表の12月は94.1と予想されている。
11月実績は93.8。
12月利上げが意識されていることから、市場コンセンサスを大きく下回らなければドル買い材料になるとみられる。

予想レンジ:112円00銭−116円00銭


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