以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兼FP山副耕一氏(ブログ「子供に伝えたい株式投資」を運営)が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
---- ※2016年2月22日22時に執筆 ○卵は一つのカゴに盛るな 持っている卵を一つのカゴに入れて運んでいると、万が一落とした場合、全部の卵が割れてしまう。
だから複数のカゴに分けて、万一落としてしまっても、全部がダメになることを避けよう。
大変有名な相場の格言です。
これは、『The Tragedy of Pudd‘nhead Wilson (まぬけなウィルソンの悲劇) byマーク・トウェイン 1894年』の一文を参照していると言われますが、原文を確認してみると次のようになっています。
” Behold, the fool saith, ” ”Put not all thine eggs in the one basket“ -which is but a manner of saying, ”Scatter your money and your attention“;but the wise man saith, ”Put all your eggs in the one basket and WATCH THATBASKET! ” 翻訳すると 『卵は一つのカゴに盛るな』と愚かな者は言う。
一方で賢者はこう言う。
それは、あなたのお金と注意を撒き散らすことと言える。
そして賢者は言う。
『卵は一つのカゴに盛れ。
そして、そのカゴをしっかり見守れ』と。
えっ、分散は愚者?Fool?そう書いていますよね。
。
。
腑に落ちないので、本当に分散投資は愚者の行動なのか?期待値で検証してみました。
→ 100個の卵を運ぶ場合、転ぶ可能性が20%(5回に1回)、転ぶと全滅(-100%)と仮定する場合。
分けずにまとめて運ぶと、(マイナスではあるが)期待値は100個×1/5×-100%=−20個。
一方、これを5回に分けると、1回あたりは20個×1/5×-100%= −4個。
しかし、これが5回繰り返されるので、-4個×5回= −20個となる。
結果は、同じ・・・。
意味がない??? 別の観点からの検証として、全滅する可能性を確率で検証してみました。
→ 100個の卵を一度に運ぶ場合、転ぶ可能性が20%(5回に1回)。
これが全滅の可能性となる。
計算式では、1/5×-100%=20%となる。
一方、これを5回に分けると、すべての回で毎回転ぶ確率なので、1/5を5乗。
すなわち1/3125=0.032%。
全滅の確率は 20% VS 0.032% で分散投資の勝ちとなります。
もう一つ。
すべて安全に運びきる可能性を確率で検証してみました。
→ 100個の卵を一度に運ぶ場合、転ぶ可能性が20%、転ばない確率は4/5の80%。
一方、これを5回に分けると、すべての回で転ばない確率は、4/5を5乗するので1024/3125=32.768%。
すべて安全に運びきる確率は 80% VS 32.768% で集中投資の勝ちとなります。
こんな結論になると考えます。
→ どちらが優れているということでなく、その人の投資スタンスに合わせて最適なものを選択すればよい。
ハイリスク・ハイリターンの原則が証明できたようです。
○相関係数で表すと? ただし別の観点からは、もう一つの疑問が生じます。
複数の同じカゴに分け、同じ運び方をする行為は相関係数でいくつの話なのだろうか?と言うことです。
+1の投資先に分けているだけではないでしょうか。
これは分散投資でしてはいけないことの一つです。
分散効果が働かないのであれば、期待値の考えになっていくので、期待値は同じ!との結論になるのでしょう。
上記の全滅する可能性は、運ぶ各回で関連性がない時を前提としているので、厳密には相関係数ゼロの時とも考えられます。
であれば、相関係数がマイナスの時にはより大きな効果が期待できるかも知れません。
本当に分散効果を働かすのであれば、単に複数のカゴに分けるだけでなく、これを異なるルートを使って運ぶこと、違う人が運ぶこと、違う日にも運ぶこと、カゴの種類を変えることなども組み込まなければ意味がないのではとも思います。
さらに、そもそも転ばないための対策を取ること。
そして、たくさん卵を産むニワトリを育てて、少々転んでも新しい卵でカバーする体制を作ることも必要であると思うのですが・・・。
分散投資を否定しているのではありません。
この「分ける部分だけ」を話すことですべてが完了する。
これこそが正論であると、真面目な顔で語るのは恥ずかしいことではないか?と思っているのです。
もう一つ。
最後まで腑に落ちないことがあります。
そもそも、分散投資は金融用語としてのリスクの軽減(ブレ幅をマイナスの相関関係で安定させること)が目的であるのに、「転んだら大変でしょ!」は、マイナスの場合しか想定していない。
すなわち、一般生活上のリスクの話に置き換え、混同しているように感じてしまいます。
---- 執筆者名:山副耕一 ブログ名:子供に伝えたい株式投資
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
---- ※2016年2月22日22時に執筆 ○卵は一つのカゴに盛るな 持っている卵を一つのカゴに入れて運んでいると、万が一落とした場合、全部の卵が割れてしまう。
だから複数のカゴに分けて、万一落としてしまっても、全部がダメになることを避けよう。
大変有名な相場の格言です。
これは、『The Tragedy of Pudd‘nhead Wilson (まぬけなウィルソンの悲劇) byマーク・トウェイン 1894年』の一文を参照していると言われますが、原文を確認してみると次のようになっています。
” Behold, the fool saith, ” ”Put not all thine eggs in the one basket“ -which is but a manner of saying, ”Scatter your money and your attention“;but the wise man saith, ”Put all your eggs in the one basket and WATCH THATBASKET! ” 翻訳すると 『卵は一つのカゴに盛るな』と愚かな者は言う。
一方で賢者はこう言う。
それは、あなたのお金と注意を撒き散らすことと言える。
そして賢者は言う。
『卵は一つのカゴに盛れ。
そして、そのカゴをしっかり見守れ』と。
えっ、分散は愚者?Fool?そう書いていますよね。
。
。
腑に落ちないので、本当に分散投資は愚者の行動なのか?期待値で検証してみました。
→ 100個の卵を運ぶ場合、転ぶ可能性が20%(5回に1回)、転ぶと全滅(-100%)と仮定する場合。
分けずにまとめて運ぶと、(マイナスではあるが)期待値は100個×1/5×-100%=−20個。
一方、これを5回に分けると、1回あたりは20個×1/5×-100%= −4個。
しかし、これが5回繰り返されるので、-4個×5回= −20個となる。
結果は、同じ・・・。
意味がない??? 別の観点からの検証として、全滅する可能性を確率で検証してみました。
→ 100個の卵を一度に運ぶ場合、転ぶ可能性が20%(5回に1回)。
これが全滅の可能性となる。
計算式では、1/5×-100%=20%となる。
一方、これを5回に分けると、すべての回で毎回転ぶ確率なので、1/5を5乗。
すなわち1/3125=0.032%。
全滅の確率は 20% VS 0.032% で分散投資の勝ちとなります。
もう一つ。
すべて安全に運びきる可能性を確率で検証してみました。
→ 100個の卵を一度に運ぶ場合、転ぶ可能性が20%、転ばない確率は4/5の80%。
一方、これを5回に分けると、すべての回で転ばない確率は、4/5を5乗するので1024/3125=32.768%。
すべて安全に運びきる確率は 80% VS 32.768% で集中投資の勝ちとなります。
こんな結論になると考えます。
→ どちらが優れているということでなく、その人の投資スタンスに合わせて最適なものを選択すればよい。
ハイリスク・ハイリターンの原則が証明できたようです。
○相関係数で表すと? ただし別の観点からは、もう一つの疑問が生じます。
複数の同じカゴに分け、同じ運び方をする行為は相関係数でいくつの話なのだろうか?と言うことです。
+1の投資先に分けているだけではないでしょうか。
これは分散投資でしてはいけないことの一つです。
分散効果が働かないのであれば、期待値の考えになっていくので、期待値は同じ!との結論になるのでしょう。
上記の全滅する可能性は、運ぶ各回で関連性がない時を前提としているので、厳密には相関係数ゼロの時とも考えられます。
であれば、相関係数がマイナスの時にはより大きな効果が期待できるかも知れません。
本当に分散効果を働かすのであれば、単に複数のカゴに分けるだけでなく、これを異なるルートを使って運ぶこと、違う人が運ぶこと、違う日にも運ぶこと、カゴの種類を変えることなども組み込まなければ意味がないのではとも思います。
さらに、そもそも転ばないための対策を取ること。
そして、たくさん卵を産むニワトリを育てて、少々転んでも新しい卵でカバーする体制を作ることも必要であると思うのですが・・・。
分散投資を否定しているのではありません。
この「分ける部分だけ」を話すことですべてが完了する。
これこそが正論であると、真面目な顔で語るのは恥ずかしいことではないか?と思っているのです。
もう一つ。
最後まで腑に落ちないことがあります。
そもそも、分散投資は金融用語としてのリスクの軽減(ブレ幅をマイナスの相関関係で安定させること)が目的であるのに、「転んだら大変でしょ!」は、マイナスの場合しか想定していない。
すなわち、一般生活上のリスクの話に置き換え、混同しているように感じてしまいます。
---- 執筆者名:山副耕一 ブログ名:子供に伝えたい株式投資