日経平均<.N225>
前場終値 10072.37 (-10.11)
寄り付き 10047.15
安値/高値 10029.33─10091.51
出来高(万株) 87507
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[東京 7日 ロイター] 前場の東京株式市場で、日経平均は8日ぶりに小反落し
た。前日の米国株は小幅高となったものの、日本株の短期的な過熱感や前日後場に上昇し
た反動から序盤は売りが先行した。ただ、アジア勢によるバスケット買いや国内年金筋と
みられる実需買いが観測され、底堅い地合いが継続。日経平均はプラス圏に浮上する場面
もあった。商いは依然低調だが、日経平均1万円台での値固めが想定されている。
東証1部騰落数は、値上がり798銘柄に対し値下がり656銘柄、変わらずが219
銘柄だった。東証1部売買代金は5416億円。
6日の米国株式市場では主要株価指数がそろって小幅高となったが、ポルトガル国債の
格下げが銀行株を圧迫したほか、中国の利上げをめぐる懸念を受け、全般的に上値の重い
展開となった。東京市場では日経平均が前日までに7日続伸し、短期的な過熱感が指摘さ
れているほか、先物主導で上昇した前日後場の反動などから売りが先行した。
序盤は保険、銀行など金融株や自動車株などが軟調だった。また電力株の下げが目立っ
た。海江田万里経済産業相が6日の衆院予算委員会で、欧州で行われているものと同様の
「ストレステスト」を原子力発電所に導入し、それが終了して安全確認されたものについ
て再稼働を判断していくという方針を明らかにしたことで、先行き不透明感が再び強まっ
た。九州電力<9508.T>や中部電力<9502.T>、関西電力<9503.T>、東北電力<9506.T>などが
軒並み売られた。
ただ朝方の売り一巡後は下げ渋った。外資系証券トレーダーによれば、アジアマネーが
連日流入しているほか、国内年金筋とみられる実需買いが観測されるという。また中国利
上げを受けて値動きが注目されていた上海株が小幅高で寄り付いたことなどが追い風とな
り、日経平均が一時プラス転換する局面も見られた。
SMBCフレンド証券投資情報部部長の中西文行氏は「1万円台は国内金融法人などが
売りたい水準であり、上値は徐々に重くなっている。海外勢の買いでどこまで吸収できる
かだが、週末にかけて米雇用統計発表を控え様子見気分も強くなりそうだ。売買高が少な
いだけに短期筋の仕掛け的な動きで上下する可能性はある」との見方を示した。
個別銘柄では日本冶金工業<5480.T>が続伸。7日付日本経済新聞朝刊が同社は川崎製造
所(川崎市)で太陽電池に使う多結晶シリコン製造装置向け合金を増産すると報じ、材料
視された。
半面、エービーシー・マート<2670.T>が3日ぶりに反落。6日、これまで未定としてい
た2012年2月期の連結業績予想を発表。増収・営業増益を見込む一方で、純利益が減
益予想となったことが嫌気された。
内閣府が発表した5月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を
除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比3.0%増の7334億円となった。2カ
月ぶりの増加。ロイターの事前予測調査では3.0%増と予想されていたが、これと同じ
結果となり、市場への影響は限定的だった。
(ロイターニュース 杉山容俊)