米国株式市場は金曜日に急落し、今週も波乱の幕開けとなりそうだ。ベンチマークであるS&P500は、投資家が連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め策による利上げの継続を懸念したため、5週連続で下落する結果となった。
Walt Disney (NYSE:DIS)、AMC Entertainment (NYSE:AMC)、Palantir Technologies (NYSE:PLTR)、Peloton (NASDAQ:PTON)、Rivian Automotive (NASDAQ:RIVN)、Coinbase Global (NASDAQ:COIN)など注目企業の決算発表が行われる予定だ。
今週は、4月の最新の消費者物価指数の発表など、重要な経済指標も発表される予定となっている。
最近の投資家が経験した市場の乱高下を踏まえ、以下では市場がどの方向に進もうとも、需要がありそうな銘柄とさらなる下降が予想される銘柄を取り上げる。
ただし、この予想期間はあくまで今週いっぱいであることに注意して欲しい。
強気銘柄:Occidental Petroleum
Occidental Petroleum (NYSE:OXY) - 先週金曜日に2年以上ぶりの高水準に株価が上昇したこのエネルギー企業は、5月10日(火)の市場終了後に発表する最新の決算で良好な収益と収入の成長が期待されており、今後1週間でさらなる上昇が見込まれる。
テキサス州ヒューストンに拠点を置く石油と天然ガスの生産会社である同社は4四半期連続で市場予想を上回っており、コンセンサスでは第1四半期は1株当たり利益は2.03ドルと、前年同期の1株当たり0.15ドルの損失から大幅に改善すると予想されている。
一方、売上高は、パーミアン・ベースンでの好調な操業と、好調な原油および天然ガス価格の恩恵を受けて、前年同期比約52%増の80億6000万ドルになるとみられている。
出所:InvestingPro
オキシデンタルの四半期利益と売上高の内容が予想通りとなれば、同社の歴史上最高水準となる。そのため、同社の経営陣は、原油と天然ガスの価格高騰が同社の事業に与える好影響を反映し、今後数ヶ月間の見通しを情報修正すると考えられる。
さらに重要なのは、同社が増配や自社株買いといった形で、株主へのキャッシュ還元を強化する計画を立てているかどうかだ。オクシデンタルは現在、1株当たり0.52ドルの四半期配当を行っており、年間利回りは約0.80%となっている。
OXYは先週、約18%上昇し、2月下旬以来の週間最大上昇率を記録した。金曜日のセッションは64.94ドルで引け、2019年4月以来の水準となった。
市場全体の低迷にもかかわらず、OXY株はコモディティ価格の上昇とエネルギー市場のファンダメンタルズの改善により、2022年のこれまでのところ124%もの高騰を記録し、過去最高の年明けのスタートを切った。
現在のバリュエーションでは、ExxonMobil (NYSE:XOM)、Chevron (NYSE:CVX)、ConocoPhillips (NYSE:COP)、EOG Resources (NYSE:EOG)、Pioneer Natural Resources (NYSE:PXD)、Devon Energy (NYSE:DVN)など、活況なこのセクターの他の有名企業よりも優れている。時価総額およそ680億ドルである。
今週の弱気銘柄:Roblox
最近の取引日で株価は順調に暴落し、過去最低値を次々と更新しているRoblox (NYSE:RBLX) は、不振のデジタル・エンターテインメント企業を悩ます様々なマイナス要因が続く中、今週も散々な結果になる見通しだ。
RBLX株は2022年の最初の5ヶ月間を通じて73%という驚異的な低下をみせており、FRBの積極的な金融引き締め計画により、投資家が高いバリュエーションを持つ不採算のテクノロジー企業に売りを浴びせているため、パフォーマンスは市場全体を大きく下回っている。
利回りの上昇とFRBの金融引き締めへの期待は、特に不採算企業や株価収益率が3桁の企業など、長期的なキャッシュ・フローの価値を損なう恐れがあるため、割高なグロース企業に重くのしかかる傾向がある。
RBLXは、昨年3月の上場後、64.50ドルで取引を開始したが、金曜日には27.81ドルの史上最安値で引けた。現在の水準では、カリフォルニア州サンマテオを拠点とする同社の時価総額は約164億ドルで、2021年11月につけた過去最高値の141.60ドルを約80%下回っている。
5月10日(火)の米国市場終了後、Robloxは第1四半期決算を発表するが、新たなネガティブな材料が登場することが予想される。
オプション市場の動きから、トレーダーはこの決算発表を受けてRBLXの株価が大きく変動することを想定しており、どちらの方向にも約21%動く可能性があるとみられています。
同社は、第1四半期に1株当たり0.21ドルの損失を計上すると予想されている。一方、売上高は6億4930万ドルで、前年同期の7億7010万ドルから減少すると予想されている。
出所:InvestingPro
3D仮想世界でビデオ・ゲームを簡単にプレイ・開発できるオンライン・プラットフォームに対する需要が冷え込む中、もし弱気な決算が確認されれば、2021年3月のIPO以来、最も軟調な売上高の成長ペースとなる。
投資家は収入と最終収益の内容以外にも、ビデオ・ゲーム・アナリストが好む調整後収益の一形態である予約数の成長に細心の注意を払うことになるだろう。この指標は前四半期に目標を下回り、同社の中核事業が大幅に減速していることへの懸念を浮き彫りにしている。
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