日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNIU1:>
終値 9925.92 -143.61 終値 9920 -160
寄り付き 9943.32 寄り付き 9940
安値/高値 9907.81─9971.14 安値/高値 9900─9970
出来高(万株) 183072 出来高(単位) 37358
-------------------------------------------------------------------------------
[東京 12日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は続落した。ユーロ圏債務問題
がイタリアにも波及するとの懸念や、米債務上限引き上げ議論の遅れなどを受け米国株が
大幅続落した流れを引き継ぎ、序盤から売りが先行。朝方は欧州勢からのまとまった売り
が出るなど主力株を中心に全面安となり、日経平均は1万円を割り込んだ。日中は円高や
アジア株安が重しとなったが、日銀による指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買い
の思惑から売り込みにくいとされ、200日移動平均線(9892円32銭=11日)は
維持した。
東証1部騰落数は値上がり245銘柄に対し値下がり1306銘柄、変わらずが120
銘柄。東証1部の売買代金は1兆1985億円。
日経平均は一時150円を超える下落となった。朝方は欧州勢から主力株を中心にまと
まった売りが観測された。欧州問題や米株安などを受けて、市場では「これまでの相場に
過熱感があっただけに調整のきっかけになった。基本的にはスピード調整だが、海外要因
を横目でにらみながら、一喜一憂する展開になりそうだ」(証券ジャパン・調査情報部長
の大谷正之氏)との声が聞かれた。
日中は、ユーロ/円が4カ月ぶりに111円に下げるなど、円高進行が重しになったと
いう。また上海や香港などのアジア株安も市場心理を停滞させた。一方「TOPIXが1
%以上の下落となっているため、日銀によるETF買いの思惑も浮上し、売り込みにくく
なっている」(準大手証券トレーダー)とされ、日経平均は200日移動平均線を維持し
た。
ただ目先はボラティリティが高まるとの見方もある。いちよし投資顧問・運用部長の秋
野充成氏は「欧州財務危機がイタリアに波及するとの懸念が根強いうえ、欧州金融機関の
ストレステストの結果公表を控えていることから投機的な動きが強まっており、値幅が大
きくなりやすい」と指摘する。
また日経平均の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)が小幅に上昇。国内証券
の株式トレーダーは、目先外為市場で一段のドル安/円高が進めば株売りにつながるので
はないか、との見方を示した。
日銀は11─12日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物
金利の誘導目標を0─0.1%程度に据え置くことを全員一致で決定した。金融資産買い
入れ基金による緩和策についても現行計画に変更はなかった。市場からは「金融政策の現
状維持は予想通りで、株式市場への影響は乏しい」(マネックス証券チーフ・ストラテジ
ストの広木隆氏)との声が聞かれた。
個別銘柄では、デンソー<6902.T>が3日ぶりに反落した。海外株安や円高に加え、
2012年3月期の連結営業利益が前期比28.3%減の1350億円になるとの見通し
を11日に発表したことが嫌気された。
また、あおぞら銀行<8304.T>が大幅安。邦銀系の株式トレーダーによると「寄り前に大
株主の一角によるクロス商いがあったとのうわさが広がり、これを受けて売りが加速した
」という。他の複数のトレーダーからも同様の見方が出ていた。
(ロイターニュース 杉山容俊)