執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- インフレ統計発表を前に投資家が株式市場に多額の資金が投入されるとの予想から、ダウ工業株30種平均は日中500ドル以上の上昇をみせたが、安値引けで終了した。
ダウ工業株30種平均は0.3%、85ドル下落、S&P 500は0.24%上昇、Nasdaqは1%上昇した。
米国債利回りの上昇が一段落する中、日中にみられた押し目買いの動きは鈍くなり、ハイテク株は引けにかけてやや勢いを失った。
Microsoft (NASDAQ:MSFT)、Alphabet (NASDAQ:GOOGL)、そしてApple (NASDAQ:AAPL)が大型ハイテク株の上昇を牽引し、それぞれ1%超の上昇で引けた。 Facebook(NASDAQ:FB)、Amazon(NASDAQ:AMZN)前日の引け値から僅かに上昇した。
米国10年物国債利回りは3%を割り込み、米国のインフレ指標の発表は明日あるが、投資家のセンチメントを強気にさせる可能性となる物価上昇圧力の減速を示すことが期待されている。
「投資家はここ数ヶ月のインフレ圧力が 『ピーク 』に達する可能性の兆候を探っている。もし、それが現実となれば、市場の強力な上昇に転じるだろう」とJanney Montgomery Scottは述べている。
一方、Peloton Interactive (NASDAQ:PTON)は、第3四半期に予想を上回る 損失を発表した後、同社が予想を下回る弱気な見通しを発表したため、約9%下落して取引を終了した。尚、同株式は日中は20%以上下落していた。
「第4四半期の見通しは、2月時点の見通しと比べ、需要の鈍化を反映している」と同社は述べ、「定額料金の値上げにより解約が増加したが、その影響は『小幅』にとどまる見込みである」と付け加えた。
映画チェーン運営会社のAMC Entertainment (NYSE:AMC) は、四半期決算を発表したが、「バットマン」などのヒットにより映画ファンの映画館回帰によって売上高と利益が共に予想を上回ったにも関わらず5%以上の下落となった。
ヘルスケア銘柄であるBiogen(NASDAQ:BIIB)は、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の承認に向けてさらに前進したことが好感され4%上昇した。
Biogenとエーザイは、この「レカネマブ」について、現在実施中の後期臨床試験の結果次第では、本年末の承認申請に向け、生物製剤承認申請書を提出する予定である。
Novavax (NASDAQ:NVAX) は、市場の予想を下回る四半期決算を発表したにもかかわらず、1%以上の上昇となった。
上海の都市封鎖措置が強化され、需要に対する懸念が継続し、原油価格が下落したものの、エネルギー株は上昇した。「中国における厳格なゼロ・コロナ対策は中国の石油需要にブレーキをかけている」とCommerzbankは述べている。
Halliburton(NYSE:HAL)、Devon Energy(NYSE:DVN)、Occidental Petroleum(NYSE:OXY)はそれぞれ2%以上の上昇となり、セクター株で最大の上昇要因となった。