[19日 ロイター] - 東南アジア配車・宅配サービス最大手グラブ(シンガポール本拠)は19日、通期の流通取引総額(GMV)伸び率見通しを30─35%とした。地域経済が新型コロナウイルスのパンデミックに起因した落ち込みから持ち直すとともに、同社の事業も回復すると見込んだ。
第1・四半期のGMVは配車を含むモビリティー部門が8億3400万ドル、宅配部門が25億6000万ドルだった。第2・四半期についてはそれぞれ9億5000万─10億ドル、25億5000万─26億5000万ドルと予想した。
アンソニー・タン最高経営責任者(CEO)は「より多くの国がコロナとの共生に舵を切るのに伴って、われわれの事業は強化され続けるだろう」と述べた。第1・四半期の業績については、感染対策の規制が最も厳しかった時期でも地域経済が底堅かったことを証明したと指摘した。
グラブは現在8カ国で事業を展開。移動制限が緩和されても消費者がオンラインを活用する流れは変わらないとし、今後も市場の新規開拓を積極的に進めていく方針。宅配部門の調整後中核損益は来年末までに赤字を解消できると見込んでいる。