[香港 25日 ロイター] - 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は25日付のリポートで、中国私有企業の債務不履行(デフォルト)傾向が強まっているため、こうした企業が同国の債券市場から締め出されつつあると指摘した。
2018年から19年10月までに償還を迎えた債券で、私有企業はデフォルト率が約12.5%だったのに対し、国有企業は0.2%弱だった。14年以降で見ても私有企業が12%、国有企業が0.2%だった。
一方、リポートによると、私有企業は調達できた総額が返済総額より少ない。19年に入って10月末までに債券市場で調達した額はネットベースでマイナス2060億元となり、18年のマイナス305億元からマイナス幅が拡大した。
半面、国有企業は今年1-10月の調達がプラス1兆9000億元で、18年のプラス1兆4000億元から増えた。
S&Pは、今年10月末時点で中国の国内債券市場全体のデフォルト額は既に1000億元を超えており、通年では昨年の1100億元を上回るとの見通しを示した。