[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるワイトマン独連銀総裁は30日、ECBが気候変動などを含むより広範な責務を担えば、中銀としての独立性が脅かされるとし、責務の範囲を物価などの狭い範囲にとどめることを提唱した。
ECBは主要政策金利の据え置きを決定した23日の理事会で、政策戦略の見直しを開始。物価目標や政策ツールなどの見直しを行うほか、気候変動対策などの新たな役割を果たしていくかどうか検証する。
ワイトマン総裁はフライブルクで行った講演で、「ECBの金融政策を巡る責務が拡大解釈されれば、最終的には独立性が脅かされる」とし、「独立性と狭い範囲の責務は両立する」と述べた。
その上で、気候変動対策に直接的な役割を果たすのではなく、銀行監督権限を利用して銀行が気候変動に起因する金融リスクを考慮するよう仕向けることができると指摘。これにより持続可能な金融システムが具現化できるとした。
このほか、気候変動が経済に及ぼす影響などを金融政策分析で検証することも提案した。