[ベルリン 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は、新型コロナウイルスの影響でECBは成長率見通しを引き下げており、景気後退の可能性は大幅に高まりつつあるとの認識を示した。同時にドラギ前総裁の口癖を引用する形でECBは「何でもする」とも述べ、迅速に行動する姿勢を強調した。
シュナーベル専務理事は独週刊紙ツァイトとのインタビューで「金融政策の波及を阻害するような市場の混乱に対処するため、ECBは責務の範囲内で何でもする用意がある」と表明。また各国政府による行動も必要だとし「金融政策だけではこの危機を解決できない。理想的には欧州レベルで強力な財政措置が必要だ」と述べた。
こうした中、あるイタリア中銀の関係筋は、ECBが量的緩和の拡大に伴いイタリア国債の買い入れを増やしていると指摘。「市場への介入は、時期や対象市場ともに弾力的な形で行われており、必要な限り継続する見込み」と明かした。
ECBはイタリア国債の買い取りについて明言を避ける一方、「金融政策の波及および銀行システムの流動性確保に向け、必要に応じてあらゆる措置を調整する用意がある」とした。
ECBは今月の理事会で量的緩和の拡大を決定。月200億ユーロの国債買い入れに加え、年末までの一時的な措置として1200億ユーロの資産を追加購入する方針を示した。