[ソウル 23日 ロイター] - 韓国の第2・四半期国内総生産(GDP)は、第1・四半期に続きマイナスとなり、2003年以来となるリセッション(景気後退)に陥った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)で輸出が落ち込んだ。
韓国銀行(中央銀行)が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値は季節調整済みの前期比3.3%減少。減少率は1998年第1・四半期以降で最大で、ロイターがまとめたエコノミスト予想(2.3%減)も上回った。
前年比では2.9%減で1998年第4・四半期以来の大幅な減少となった。エコノミスト予想は2.0%減だった。
ただ、政府やアナリストは、アジアのなかで比較的早く経済が回復すると予想する。
洪楠基企画財政相は、GDP発表後「パンデミックが鈍化し海外で生産などが再開しており、第3・四半期は(第2・四半期にプラス成長を回復した)中国型の回復を見せる可能性がある」と述べた。
ただ、GDPの4割近くを占める輸出は前期比16.6%減少と1963年以来、最大の減少。
鉄鋼大手ポスコ (KS:005490)の第2・四半期決算は、海外需要の落ち込みで84.3%の営業減益。半導体大手ハイニックス (KS:000660)は、第2・四半期の営業利益が大幅に増加したにもかかわらず、下期の見通しは不透明としている。
キャピタル・エコノミクスのアジアエコノミスト、アレックス・ホルムズ氏は「個人消費は徐々に回復するだろうが、ウイルスの脅威が完全に消えることはなく、何らかの社会的距離措置は取られ続けるだろう。世界需要はゆっくりとしか回復せず、輸出の回復を圧迫するとみられる」と述べた。
建設投資は前期比1.3%減、設備投資は2.9%減少。
製造業、サービス業はそれぞれ9.0%、1.1%減少した。
一方、個人消費は1.4%増加。コロナ対策の現金給付が支援した。
HI投資証券のアナリスト、Park Sang-hyun氏は「最悪期は過ぎたようだ。ベース効果と補正予算からの財政出動で投資は回復するだろう」と述べた。
2020年は、アナリストの予想中央値でマイナス0.4%と、1998年以来のマイナス成長が見込まれている。国際通貨基金(IMF)の予想はもっと悲観的でマイナス2.1%。
李柱烈中銀総裁は先週、マイナス0.2%という今年の成長率予想について、下方修正は避けられないとの認識を示した。