[ヘルシンキ 17日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は17日、ユーロ圏が低成長率・低インフレ長期化の陥穽にはまる瀬戸際に立たされているとの認識を示した。
同総裁は声明で、「ユーロ圏のインフレ率は持続的に極めて低位にあり、この傾向が続くリスクがある」とし、ECBはデフレリスクを回避できたが、新型コロナウイルスの感染拡大が長期にわたって生産性向上の重しとなり、ユーロ圏地域間の経済的な乖離を拡大させる可能性があるとした。
また経済と雇用を支え、物価の安定目標を達成するため、大規模な金融緩和が必要な状態は続くとした。
米連邦準備理事会(FRB)が「一時的に」2%を上回ることを容認し、長期的に平均で目標達成を目指す方針に移行したことについて「FRBの新たな方針がECBの金融政策運営にも影響を及ぼすことは避けられない。我々は全く干渉のない状態で政策運営を行っているわけではない」と述べた。