[オスロ 17日 ロイター] - ノルウェー中央銀行は17日、政策金利を予想通り過去最低のゼロ%に据え置いた。一方、世界経済が新型コロナウイルス流行から回復するにつれ、利上げ時期が従来想定よりも早くなる可能性があると警告した。
中銀は2022年の最初の数カ月で利上げを予定していると表明。従来の想定よりも6カ月超前倒しされた。これを受け、ノルウェークローネは対ドル、対ユーロで上昇した。
オルセン総裁は声明文で「急激な景気低迷と先行きを巡る大きな不透明感は、経済情勢が正常化している明確な兆候があるまで政策金利を据え置くことを示唆している」と説明。中銀は「政策金利見通しは現在の金利水準が向こう1年強にわたって続き、その後は経済活動が正常水準に近づくにつれて22年上半期から段階的に上昇することを示唆している」と付け加えた。
その後、ロイターに対し「22年の第1・四半期に最初の利上げが実施される可能性がある」と語った。
また、ノルウェー内外での新型コロナワクチンの展開は中銀の経済見通しの「決定的な」要因になったとし、「われわれのダウンサイドシナリオはワクチンへのアクセスを巡る障害や経済に影響を及ぼす新たな感染拡大によって特徴づけられる」と述べた。
中銀の予測では、2022年第2・四半期の利上げの確率は50%を大きく上回っている。
ノルデアのチーフエコノミストは「タカ派からのメッセージだ。ワクチン配布で景気の回復ペースが加速する可能性があり、利上げ時期の予想が半年前倒しされた」と指摘した。
18カ月以内に利上げを実施すれば、G10諸国で初の利上げとなる可能性がある。
ノルデアのチーフエコノミストは「利上げの可能性に言及し、しかも利上げ時期の予想を前倒したという点で、ノルウェー中銀は際立っている。他国の中銀はいまなお景気をどう刺激するかを議論している」と述べた。
スウェドバンクのエコノミストは経済が加速する中、早ければ21年第3・四半期にも利上げが行われる可能性があると想定。一方、ダンスケバンクは利上げ時期について第4・四半期の可能性が高いとした。
1148GMT(日本時間午後8時48分)時点のノルウェークローネは0.9%高の1ユーロ=10.49クローネ。
ノルウェー中銀は9月、政策金利が2023年末までに0.5%に引き上げられると予想していたが、今回は同年末までに1%に達している可能性があるとの見方を示した。
*内容を追加しました。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20201217T103911+0000