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焦点:バイデン政権1年目は雇用急増へ、女性・マイノリティの復職支援課題に

発行済 2021-01-21 13:00
更新済 2021-01-21 13:09

[20日 ロイター] - バイデン米大統領の就任1年目には、国内の新型コロナウイルスワクチンの普及で雇用が爆発的に増え、かつてないほど雇用が伸びる見込みだ。だが、雇用の完全回復にはそれでは足りないかもしれない。

新型コロナ危機で失われた約2200万人の雇用のうち、昨年末までに取り戻せたのは半分程度。今年の雇用が戦後最多とされる1984年の427万人を超えても、コロナで失職した国民の約4分の1は職に就けないままとなる可能性がある。

ちょうど1年前、過去最長の景気拡大により、女性やマイノリティなど、中核ではない労働者層の雇用が増え、賃金が上昇していた。まさにこうした層が昨年の大統領選でバイデン氏の勝利を後押しした一方、彼らはコロナ危機で従事していたサービス業の職を失った。

バイデン氏は先週、1兆9000億ドル規模の新たな景気対策案を発表。現金給付の増額や失業給付の上乗せを盛り込んだ。

バイデン氏の景気対策の第2段階では、インフラやクリーンエネルギー、教育分野への投資を通じた雇用創出が計画されている。

上院は民主党がかろうじて多数派を確保したものの、こうした対策のどの程度が議会で承認されるかは不透明だ。

バイデン政権の財務長官に指名されたイエレン前連邦準備理事会(FRB)議長は19日、上院財政委員会の指名承認公聴会で、議員に対し、追加の新型コロナ対策で「大きく行動」するよう呼び掛け、債務拡大につながっても恩恵は代償を上回るとの考えを表明。

「追加措置を講じなければ、足元のリセッション(景気後退)の長期化と深刻化を招く恐れがあり、今後の経済により長期的な傷跡を残しかねない」と警鐘を鳴らした。

新政権の景気刺激策が実現する場合、FRBの金融緩和政策が追い風となる可能性もある。

FRBは昨年、新型コロナの影響で世界的に雇用と物価の下方リスクが高まる中、米国の完全雇用を復活させ、物価を健全な水準に戻すための新戦略を発表。「広範かつ包括的」な雇用に重点を置くとともに、物価よりも雇用を重視し、最大雇用の確保に努めるとした。

ムーディーズ・アナリティックスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「FRBは完全雇用が達成された後もアクセルに足を置いたままにするつもりだ」と指摘。追加の財政支援とあわせ、経済に突如として大量の刺激策が注入されるとの見方を示した。

<コロナの影響に偏り>

前回のリセッションでは、米労働市場が失った雇用を完全に取り戻すまでに6年以上かかった。政策当局者はコロナ危機で陥った今回のリセッションではワクチン普及のおかげで雇用はより迅速に回復するとみている。

だが、コロナ危機後の雇用状況が鮮明になるにつれ、職種変更に追加支援が必要になる労働者が出てくる可能性がある。

6カ月以上失業している400万人の米国民に特に注意が必要かもしれない。彼らは収入減あるいは労働市場から追い出されるという深刻なリスクに直面している。給仕係、料理人、バーテンダー、娯楽施設の従業員など、感染抑制策のために職場が閉鎖され失業した人々の多くがこれにあてはまる。

バイデン政権の大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長に指名されたラウズ氏と先週、長期失業者の支援について協議した民主党のバン・ホーレン上院議員は「われわれがいま動かなければ、数百万人の国民が再び取り残される」と危機感をあらわにする。

女性、黒人、ラテン系を含む低賃金労働者はコロナ危機による失業で最も深刻な打撃を受けており、経済が回復する中で取り残されるリスクが高い。

米国最大の労働組合である米労働総同盟産別会議(AFLーCIO)のチーフエコノミスト、ウィリアム・スプリックス氏は「来年までに経済が活況となっても、差別を受けやすい黒人・ラテン系の雇用が回復するにはかなり長くかかる」との見方を示した。

昨年12月時点で白人の失業率は6%に低下し、全体の失業率6.7%を下回った一方、黒人とラテン系の失業率はそれぞれ9.9%、9.3%と全体を大きく上回った。

また、コロナによる学校や保育施設の閉鎖で、多くの働く女性にもしわ寄せが及んでいる。昨年2─12月に離職した390万人のうち、55%が女性だった。こうした女性を労働市場に復帰させるには、保育を依頼しやすくする政策が必要だと専門家は指摘する。

パウエルFRB議長は先週、労働市場をコロナ前の状態に戻すことがFRBの主要な焦点になると確認。コロナワクチンの配布が今年の回復見通しを押し上げる中、経済が新たな大恐慌に突入するといった悲観的な見方も広がっていた昨年春と比較して、全体的に「恐れられていたよりもはるかに早い回復が可能になると考えられる」と述べた。

(Jonnelle Marte記者)

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