[ワシントン 26日 ロイター] - 米国のインド太平洋調整官カート・キャンベル氏は26日、「クアッド(QUAD)」と呼ばれる日米豪印4カ国の枠組みで、インフラに焦点を当てた対面の首脳会談を秋に開催することを検討していると明らかにした。
クアッドは3月、オンラインで初の首脳会談(サミット)を開催し、新型コロナウイルスワクチンの配布や気候変動問題、安全保障分野で緊密に協力することを約束した。
キャンベル氏は「今秋にクアッドの対面会合を開催したいと考えている。インフラに関して、より全般的に同様の取り組みを行いたい」と述べた。
また「ほかにもわれわれと協力したいと考える国々があれば、扉は開かれる」と述べ、他の国々がクアッドと協力することを歓迎する意向を示した。
スタンフォード大学ショレンスタイン・アジア太平洋研究センター主催のオンラインイベントで述べた。
クアッドは中国の影響力拡大に対抗する非公式な枠組み。3月の首脳会談では中国がもたらす課題に対処し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け取り組むことを約束した。また、年内に対面方式で首脳会談を開くことを申し合わせた。
ホワイトハウスの当局者は、対面の首脳会談の詳しい日程や場所はまだ決まっていないと述べた。
キャンベル氏は中国に関し、一連の新たな戦略的要素が存在すると指摘。「関与政策と総称された時代は終わった」とした。
その上で今後の「支配的パラダイムは競争となる。われわれは、米国の最大の力を引き出す安定的かつ平和的な競争にすることを目指している」とし、懸念が生じる時期もあるだろうと続けた。
米国が構築に関わったアジアの「基本体制」は変化していないが、中国の台頭で「かなりの緊張が生じている」と指摘。
「さまざまな形で再活性化が必要で、米国だけでなく、体制を活用する日本、韓国、オーストラリアやアジアなどで活動を増やしたい欧州の国々が主体となる必要がある」とした。
また、米国のアジア関与について「前向きな経済ビジョン」を持つ必要性に言及。経済戦略はアジア側が期待しているもので、それなしには成功が難しくなると説明し、「クアッドについてわれわれは意欲的だ」と語った。