[ワシントン 27日 ロイター] - 米上院共和党は27日、9280億ドル規模の新たなインフラ投資計画を提示した。バイデン大統領の掲げる大型インフラ投資計画「米雇用計画」への対案となるが、規模や財源を巡り双方の提案にはなお大きな開きがある。
バイデン大統領は先週、共和党との超党派の合意に向けて、同計画の規模を当初の2兆2500億ドルから1兆7000億ドルに縮小した。
バイデン大統領は5月末をめどに交渉を終えることを目指している。大統領はこの日、共和党のインフラ投資計画案を取りまとめ、政権との交渉チームを率いるカピト議員と電話で話した。来週も協議する意向を伝えたうえで、速やかに交渉を終わらせる必要があると話したことを明らかにした。
カピト議員は記者団に、バイデン氏との電話会談は「非常に前向きだった」とコメント。バイデン氏は内容に関して何も確約はしなかったが、超党派の取り組みを継続したい意向を示したと説明した。
共和党案では、今後8年で道路や橋の整備や主要プロジェクト向けに5060億ドル、公共交通機関向けに980億ドルを投じる計画。
バイデン大統領が法人増税を通じ財源を賄うことを提案しているのに対し、共和党案では承認済みの新型コロナウイルス経済対策の資金を充てたい考え。
ホワイトハウスのサキ大統領報道官は声明で「共和党案では実質的な追加資金について示されていない点を懸念している」と述べ、財源の手当てに関して不明瞭だと指摘。「新型コロナ救済資金が大幅に削減されることで保留中の支援が危うくなることを心配している」と説明した。
インフラ投資計画を巡っては、インフラの定義そのもので両者の間に大きな隔たりがある。共和党側は道路、橋、空港、水路など「モノ」に対象を絞ったインフラ計画を求めている。一方、バイデン政権は、従来型のインフラだけでなく社会や教育費用などの分野に対象を広げている。