[フランクフルト 5日 ロイター] - ユーロ圏の銀行監督を担う欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のアンドレア・エンリア委員長は5日、足元の新型コロナウイルス危機によって資産の質が著しく低下した場合、域内の銀行に資本バッファーを再構築するための猶予をさらに与えることも可能という考えを示した。
オンライン会議で「われわれは少なくとも2022年まで資本バッファーの利用に関して銀行に提供している柔軟性を堅持する予定だが、資産の質の問題が著しく顕在化した場合、時間的な道筋を再考することも可能である」と表明。「危機が引き続き銀行のバランスシートに影響を及ぼしているうちは、資本バッファーの再強化を始めることは望ましくない」と語った。
ECBは昨年、銀行が実体経済への融資を継続できるよう、資本バッファーを取り崩し、22年末まで低めの資本バッファーで操業することを認めた。