[東京 8日 ロイター] - 政府は8日、新型コロナウイルス対策でまん延防止等重点措置を適用中の10都道府県と緊急事態宣言を発令中の沖縄県について、11日の期限を控え、12日以降の取り扱い方針を基本的対処方針分科会で示し、了承された。東京都については、感染再拡大を受けて昨年来4度目となる緊急事態宣言の再発令に踏み切る。期間は8月22日まで。
東京都の新規感染者数は7日に920人となり、18日間連続で前週の同じ曜日を上回り、増加傾向が顕著となっている。新規感染確認者が900人を上回るのは5月13日以来。
西村経済再生相は「東京都など首都圏、大都市で増加傾向が顕著。ワクチン接種が進み、高齢者の感染者数は低い水準だが、東京はデルタ株への置き換わりが3割程度まで拡大している」と指摘。40-50代の入院者増加や重症者増加にも懸念を示した。期間については7月下旬の4連休やお盆など人の移動が活発化する時期であることを考慮すると説明した。
<酒類提供を禁止、協力金前払い検討>
緊急事態宣言を発令中の沖縄県は8月22日まで延長する。他のまん延防止措置の適用地域は、首都圏3県と大阪府については同措置を8月22日まで延長する。
北海道と愛知県、京都府、兵庫県、福岡県では11日の期限をもってまん延防止措置を解除する。
現在まん延防止措置を適用中の東京などで、一定の制限下で認められている飲食店での酒類の提供は、東京・沖縄で一律禁止とし、首都圏3県も原則禁止とする。飲食店に対する協力金の前払い方法などを検討する。酒類提供の禁止に応じない飲食店に対して、酒類の卸売店などが販売を控えるよう要請も行う。
要請に反して酒類提供を継続する飲食店に対して「命令・過料の手続きを厳格に行う」(西村再生相)として、罰則を厳格化する。
<沖縄は期限前に解除も>
分科会終了後に会見した西村再生相によると、まん延防止措置への移行を要請していた沖縄県に対する緊急事態延長について議論があり、感染状況が改善すれば8月22日の期限を待たず解除する方向という。
政府は午後2時以降に衆参両院で説明を行い、夕方に正式決定する。
政府案が正式決定されると、7月23日から8月8日に予定されている東京五輪は緊急事態宣言下で開催されることになる。宣言対象地域では、大規模イベントの観客は5000人以下となるため、政府や東京五輪・パラリンピック大会組織委員会などは5者会談を開き、観客数などを議論する見通し。