[香港/上海 11日 ロイター] - 多額の負債を抱える中国の不動産開発大手、中国恒大集団は10日、一部の資産売却について交渉を進めていることを確認した。
市場では、事業再編で資金繰りが改善するとの見方から、同社株が一時12%急伸した。
提出書類によると、同社は香港市場に上場している電気自動車(EV)子会社の中国恒大新能源汽車集団と、不動産管理子会社の恒大物業集団の売却などを検討している。
両社の株価もそれぞれ9%、16.4%急伸。
ロイターは9日、関係筋の話として、恒大集団が深センでの都市再開発プロジェクトの大半についても買い手を探していると報じた。
S&Pグローバル・レーティングは5日、恒大集団の格付けを「Bマイナス」から「CCC」に2段階引き下げた。格下げは過去2週間で2回目。
S&Pは、今後12カ月で期限を迎える恒大集団の手形、仕入債務を2400億元(371億4000万ドル)と推計。このうち約1000億元相当が年内に期限を迎えるという。
CGSーCIMBセキュリティーズのマネジングディレクター、レイモンド・チェン氏は、恒大集団が子会社2社の売却で約32億ドルを調達できる可能性があると指摘。ネットギアリング比率が10%改善し、90%に下がるとの見通しを示した。
企業情報検索サイトの天眼査によると、恒大集団は株式を担保にした融資も受けている。
同社に対して各地で起こされている訴訟は、広東省の広州市中級人民法院(地裁)で一括審理されることが先週決まっており、市場では同社が事業再編に向かっているとの観測が強まっている。
国泰君安と中信建投証券は今週、恒大集団の社債取引を9日から機関投資家のみに制限したことを明らかにしている。