[ベルリン 30日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が30日に発表した8月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比3.4%上昇と、前月の3.1%から加速し、2008年7月(3.4%)以来13年ぶりの高水準と一致した。市場予想も3.4%だった。
国内基準では前年比3.9%上昇し、東西ドイツ統一を受け好景気だった1993年12月以来の高水準を記録。供給阻害が続く中でも経済がパンデミック(世界的大流行)から回復し、基調的な物価圧力が上昇していることが裏付けられた。
バーデン・ヴュルテンベルク州立銀行(LBBW)のエコノミスト、エルマー・フェルカー氏は、昨年下半期に実施された付加価値税(VAT)の一時的な引き下げなどの影響で、前年比のインフレ率は今後も上昇が続くと予想。「22年初旬以降は伸びは鈍化する」としながらも、「どの程度のペースで鈍化していくかは分からない」と述べた。
生産者価格と輸入価格がこのところ上昇していることで、消費者レベルでのインフレ高進が当初の想定より根強いものになる可能性があるとの見方も出ている。これについてフェルカー氏は「欧州中央銀行(ECB)内では今でも低インフレを巡るリスクが討議の中心になっているが、こうした状況が変化する可能性がある」と語った。