[北京 12日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が12日発表した12月の新規人民元建て銀行融資は1兆1300億元(1775億6000万ドル)と、前月の1兆2700億元から減少し、市場予想を下回った。
ただ人民銀が減速する経済を下支えするために政策支援を維持したことから、2021年通年では過去最高となった。
ロイターがまとめたアナリスト予想では12月の新規融資は1兆2500億元となっていた。前年同月は1兆2700億元だった。
21年の新規融資は19兆9500億元となり、これまでの最高だった20年の19兆6300億元から1.6%増加した。これは英国の国内総生産(GDP)を上回る。
12月のマネーサプライM2は、前年同月比伸び率が9.0%と市場予想の8.7%を上回った。11月は8.5%だった。
12月末時点の人民元建て融資残高は前年比11.6%増と伸びが11月の11.7%から鈍化した。市場予想は11.7%増だった。
12月の社会融資総量残高の伸び率は前年比10.3%で、11月の10.1%から加速した。社会融資総量には、通常の銀行融資以外の新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などが含まれる。
12月の社会融資総量は2兆3700億元で、11月の2兆6100億元から減少した。アナリスト予想は2兆4500億元だった。
招商証券のアナリストは「12月の与信データは予想をやや下回ったが、実体経済への与信は改善している」と指摘。
キャピタル・エコノミクスはリポートで「政策支援が増える中、12月も広範に信用の伸びが加速した。今後数カ月は融資が引き続き拡大するだろう。もっとも、当局は融資の急増を避ける可能性が高い」と指摘。
「信用の伸びは引き続き今後数カ月で小幅に加速するだろう。借り入れコストを減らし、融資を増やす取り組みが強化されている。ただ、当局は景気減速に歯止めを掛けたい一方で、高水準を負債を懸念しており、依然として両者のバランスを取ろうとしているようだ」と述べた。