[1日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は1日、3月・5月・6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で連続して利上げし、引き締めを開始するのが好ましいとの見方を示した。その後、インフレのペースを検証し、さらに積極的な行動が必要かどうかを判断すると見込んだ。
ただ50ベーシスポイント(bp)の利上げで引き締めサイクルを開始することには否定的な見解を示した。ロイターのインタビューに対し「50bpの利上げが現時点で助けになるとは思えない」と述べた。市場で既に金利が上昇している状況を理由に挙げた。
最終的に利上げをどのように進めるかについては「まだ分からない」と語った。
「今回の目的は、現在から今後数カ月の間に(金融政策を)より良い状態にすることであり、その時点で(今年下期から2023年にかけて)もっと引き上げる必要があるかどうかを評価することができるだろう」とした。
市場では今年中に25bpの利上げが5回あると予想されている。総裁は「さほど悪くない予想だ。今年のインフレ率がどのように推移するかに大きく左右される」と語った。
今年の米失業率については、企業が積極的に人材を求めていることを背景に現在の3.9%から改善し、1950年代初めに見られた3%を下回る水準に低下すると予想した。
4日に発表される米雇用統計は「オミクロン変異株の影響で良好な内容とはならない可能性があるものの、惑わされてはいけない」とし、「経済情勢は極めて力強く、雇用市場も非常に堅調だ」と述べた。
<データ次第>
ブラード氏は足元の不確実性があまりにも高いため、FRBはゼロ金利解除後の政策金利の道筋について、十分なガイダンスを提供できない可能性があり、FOMC会合ごとに経済指標を点検することになるとの認識を示唆した。
今年はインフレ指標や他の経済指標により機敏に、より早く、よりよく反応する必要があるとし「一層、データ次第の環境になるだろう」と述べた。
バランスシート縮小を巡っては、第2・四半期に開始したいと述べ、「前回よりも速く実行できる」との見通しを示した。
その上で、政策金利の引き上げとバランスシート縮小の双方を考慮すれば「中立に達するまではそれほど遠くない」と述べた。景気を冷やしも熱しもしない中立金利は1.75─2%と予測。多数のFOMCメンバーが予測する水準をやや下回った。