[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は16日、不動産市場がユーロ圏の銀行にとって「重大な脆弱性」だと指摘した。新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークの増加でオフィス需要が減少している上、家計が高額な住宅購入のため負債を増やしている点を挙げた。
ECBはニュースレターで「銀行監督委員会は、銀行の商業用・住宅用不動産セクターへのエクスポージャーが重要な脆弱性であると認識している」とし、より詳細に調査する方針を示した。具体的には、不動産への大規模なエクスポージャーを持つ銀行の一部を対象とし、「的を絞った検証」を行う。
「商業用不動産(CRE)セクターは、パンデミックの影響に対して脆弱であると考えられる。一方、住宅用不動産(RRE)セクターでは、住宅価格が過大評価されている可能性や家計の負債の増加など、価格是正に向けた中期的なリスクが引き続き高まっている」と述べている。