[24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は24日、インフレ抑制に向け、今後数週間のデータが「極めて熱い」経済状態を示し続けるなら3月に0.5%ポイントの利上げから始め、年央までに1%ポイント利上げすべきだと述べた。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校「経済予測プロジェクト」向けの講演で、「適切な金利政策により、夏の早い時期に(フェデラルファンド金利の)目標レンジを1─1.25%に引き上げられると思う」と指摘。7月の会合までに9兆ドルのバランスシートの縮小を開始すべきだとも述べた。
ウォラー氏は、最初の利上げが行われた後、インフレが高水準で推移すればさらなる利上げが適切になるだろうし、自身の想定通り年後半にインフレが緩やかになれば、利上げのペースを減速させたり、利上げを一時停止したりする可能性があるとした。
「もちろん、ウクライナ攻撃をきっかけに世界の情勢が変わる可能性もあり、そうなれば、より緩やかな引き締めが適切ということになるかもしれない」とも指摘。ただ、この対立が米国や世界経済に与える影響を読み取るにはまだ時期尚早だとし、消費者物価の伸びが40年ぶりの大きさとなる中、FRBは「インフレを抑えるという信用を維持するために、データに断固として対応しなければならない」と強調した。
ウォラー氏が3月の50ベーシスポイント利上げに言及したことから、金利先物市場では同水準での利上げの確率が約25%と、前日のほぼ倍に高まった。
<バランスシート>
ウォラー氏は大規模なバランスシートについて、現在の経済がはるかに強くなっていることなどを踏まえ、前回の2017年よりはるかに速く縮小すべきだと指摘。住宅ローン担保証券(MBS)の縮小ペースについては上限を設けるべきではないとした。
「今後1、2年の間に大量の証券が満期を迎えるため、資産売却をすぐに検討する必要はないと思う」と発言。ただ、「将来的には」MBSの売却を検討する可能性はあるとした。