[パリ 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)は25日、パリで開いた非公式財務相理事会で、ロシアによるウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格の上昇や企業信頼感の低下などが要因となり、欧州の今年の経済成長が鈍化する可能性があるとの認識を示した。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のドナフー議長(アイルランド財務相)は記者会見で「経済的なコストは向こう数週間、数カ月で顕在化する」とし、「欧州各国が受ける影響はそれぞれ異なる」としながらも、欧州財務相は景気支援に向け必要に応じて財政計画の見直しを実施していくと述べた。
EU首脳は24日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアの金融、エネルギー、運輸部門などを対象とした追加制裁の導入を決定。これに関連して欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ロシアによるウクライナ侵攻の主な影響は、エネルギー価格の上昇のほか、不確実性の高まりを背景とした企業・消費者信頼感の低下という形で波及すると予想。ただ、ユーロ圏とロシアとの間の通商はそれほど大きくないため、貿易を通した影響は拡大しないとの見方を示した。
欧州委員会のドムブロフスキス委員(通商担当)は、状況は刻々と変化しているとしながらも、「今回の危機はEUの経済成長に対する重しになるが、成長が止まることはないと欧州委は暫定的に評価している」と語った。