[ワシントン 15日 ロイター] - 米国は15日、ウクライナ侵攻を巡りロシア軍指導者11人に制裁を発動したほか、汚職や人権侵害に関与したとしてロシアの個人4人と1団体を制裁対象に指定した。ロシアの同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領にも追加制裁を科した。
米国務省は、ロシア治安部隊「国家親衛隊」を率いるビクトル・ゾロトフ氏や複数の国防次官など軍指導者11人に米国内の資産凍結などの制裁を科すと発表した。
財務省も、ロシア当局者の汚職を追及していたセルゲイ・マグニツキー弁護士が不審死した事件を隠蔽する役割を果たしたり、人権活動家オユブ・ティティエフ氏に対する人権侵害に関与したロシア人4人および1団体に制裁を科すと発表。
2009年に獄中死したマグニツキー弁護士の拘束や虐待の法的責任の隠蔽に関与したとされる判事1人や、18年にティティエフ氏を逮捕し、違法薬物所持の罪で起訴したロシア内務省チェチェン共和国クルチャロイ支部が含まれた。
また、ベラルーシのルカシェンコ大統領に新たな制裁を科したほか、大統領夫人も制裁対象にするという。
同省外国資産管理局のアンドレア・ガッキ局長は声明で、今回の制裁は「米国が汚職に関与する者や重大な人権侵害に関係する者に対して具体的かつ重大な結果を課し続けることを示すものだ」と指摘。「われわれは、ロシアによるウクライナでの人道回廊への攻撃を非難し、ウクライナに対する理不尽かつ残虐な戦争を止めるようロシアに求める」とした。