[東京 16日 ロイター] - 松野博一官房長官は16日午前の会見で、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対する追加制裁措置としての「最恵国待遇」停止について、各国の具体的な動向も注視しつつ「必要な措置を検討し、適切に実施をしていく」と述べた。
松野長官は、3月12日に発出された主要7カ国(G7)首脳声明で、ロシアの最恵国待遇を否定すべく行動をとるよう努めること、ロシアからの重要物品の輸入品に対しさらなる制限を科する用意があることなどを表明している、と説明した。
複数の関係筋によると、政府はロシアについて、貿易上の優遇措置などを保障する最恵国待遇を停止する。
北朝鮮が16日に「未確認の飛翔体」を発射したとの情報に関しては、松野長官は「現時点において弾道ミサイルの飛翔は確認をされていないと承知をしている」とし、「船舶・航空機等への被害に関して特段の報告は受けていない」と語った。
16日付読売新聞は、政府・与党がロシアのウクライナ侵攻による原油価格の高騰対策として、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の発動に向けた調整に入ったと報じた。松野長官は今後原油価格の上昇が続いた場合には「何が実効的で有効な措置かという観点から、あらゆる選択肢を排除することなく、政府全体でしっかりと検討し、対応していく」と述べた。
16日に春闘の集中回答日を迎えることについて、松野長官は、今後の回答状況を注視していくと述べた。原油価格や食料品価格の上昇がみられる中、賃上げをしっかりと実現していくことが重要であり、政府として、あらゆる施策を総動員し、企業が賃上げをしようと思える雰囲気を醸成していくと強調した。
(杉山健太郎 編集:田中志保)