[ロンドン 6日 ロイター] - ロシアは6日、ドル建て国債の元利払いを自国通貨ルーブルで行ったと明らかにし、外貨準備の利用が西側諸国の制裁で制限されている限り、ルーブルでの支払いを続けると表明した。デフォルト(債務不履行)に陥る懸念が一段と強まった。
ロシア財務省は、2022年満期債の元利払いと42年満期債の利払い計6億4900万ドルの支払いの処理を外国銀行が拒んだため、ルーブルでの支払いを余儀なくされたと表明。外国銀行の名前は明らかにしていない。
米政府は4日、米金融機関にロシアが預けている準備資産を外貨建て国債の支払いに使うことを阻止していた。関係筋によると、コルレス(中継)銀行であるJPモルガンは、4日が期日のロシア国債の支払い2件を処理することを認められなかった。JPモルガンはコメントを控えた。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は6日、債務返済に必要な資金は有しているが、西側の制裁で外貨準備にアクセスできない間は外貨建て債務をルーブルで支払い続けることになると説明した。
財務省は、外貨口座へのアクセスが復旧すれば、22年・24年満期債の外国人保有者に対し、ルーブル建ての支払いを外貨建ての支払いに転換することを検討する可能性があるとしている。
4日が期日だったドル建て国債の支払いには、30日間の猶予期間が設けられている。格付け大手は、期間内に債権者がドル建てで返済を受けなければ、デフォルトに該当すると指摘する。
ペスコフ氏は「理論上のデフォルトを起こすことはあり得るが、それは人為的状況下のことで、本当の意味でのデフォルトが起きる根拠はない」と主張した。
ロシアが持つ金・外貨準備計6400億ドルのおよそ半分は、西側諸国の制裁により凍結されているが、原油・天然ガスの輸出でも数十億ドル単位のドル建て収入を得ている。
4日に支払い期日を迎えたロシア国債を保有するファンドマネジャーは「ロシアが返済の意思と能力を失う時期が早まった」と分析した。