[上海 6日 ロイター] - 中国は6日、システミックな金融リスクの回避に向け、セーフティネットをより強化するための金融安定化に関する法案を公表した。
中国人民銀行(中央銀行)によると、中国は金融安定化保護基金を設立して主な金融リスクに対処する能力を強化し、リスクの検出と処理のための包括的で組織横断的なメカニズムを確立する。
人民銀はウェブサイト上で「国内外の複雑な経済・金融情勢に直面し、金融リスクを防ぎ、解決して不慮の事態に備えるため、信頼できる効率的なシステムを先手を打って構築する必要がある」との声明を出した。
世界2位の経済大国の中国は、新型コロナウイルスの感染再拡大や不動産市場の低迷、ウクライナ危機の影響を受けて減速し、多額の負債をすでに抱えた地方政府の財政が圧迫されている。
中国の金融安定化基金は主なシステミックリスクに対処するために使われ、中国の金融機関や金融インフラ事業者から資金を調達する。法案によると、人民銀による基金への流動性支援も必要になれば可能だ。
しかし、公的資金への依存を最小限にするため、金融機関とその主要株主は外部の支援を求める前に自助努力が必要となる。
一方、リスク処理のメカニズムは中国国務院(内閣に相当)の金融安定発展委員会が主導し、金融リスクを回避する責任は金融機関や地方政府、金融規制当局により強く課される。
人民銀によると、金融機関の不適切な管理や、株主による資本の不正利用が過去に金融リスクへの大きな影響を及ぼした。
この法案は人民銀、財政省、銀行・証券・外為の規制当局など7つの政府機関が共同で発表し、一般からの意見を募集している。