[北京 28日 ロイター] - 中国・北京市は28日、27日に新たに確認された新型コロナウイルス感染者が50人と、前日の34人から増えたと発表した。市民2200万人の大半を対象とした集団検査が始まる中、建物の封鎖やチェック態勢の強化が進んでいる。
北京当局は今週、多くの地区で3回にわたる集団検査を実施。感染者が確認された住宅地、オフィス街、大学を封鎖したほか、一部の学校、娯楽施設、観光地も閉鎖した。
テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・北京」は27日夜、入園者に陰性の検査結果提示を29日から義務付けると発表した。
22日以降、北京では160人以上の感染者が出ており、その半分以上は市内で最も人口の多い朝陽区で確認された。
北京中心街の東城区と西城区は28日、映画館が全て閉鎖したと発表した。
感染者数が少ないにもかかわらず、北京は依然として緊張を強いられている。
北部にある人口35万人の延慶区は28日、今週の集団検査を命じられていないにもかかわらず、区内に居住・勤務する人々のスクリーニング検査を開始すると発表した。
<3億4300万人が封鎖下に>
中国全体では、野村アナリストの推計によると、46都市が現在、全面的もしくは部分的ロックダウン(都市封鎖)下にあり、3億4300万人が影響を受けている。
ソシエテ・ジェネラルの推計によると、大幅な移動制限が敷かれている各省の国内総生産(GDP)に占める割合は8割となっている。
中国のコロナ規制を背景に、複合企業のGEや3M、半導体メーカーのテキサス・インスツルメンツ(TI)やSKハイニックスといった世界的企業は売上高に影響が及ぶと警告している。