[北京 6日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は6日、新型コロナウイルスで大きな打撃を受けた輸送や物流、貯蔵部門を支援するために1000億元(150億ドル)の再融資制度の導入を発表した。
人民銀はメッセージサービス「微信(ウィーチャット)」に投稿した声明で、広範にわたる構造的な政策手段をよりうまく組み合わせ、構造的な政策システムを常に最適化すると説明。「金融政策は財政政策や産業政策と連携することで市場関係者の信頼を大きく高め、市場のけん引役を刺激し、実体経済を支え、安定成長の目標を達成する必要がある」と表明した。
資本逃避やインフレ高進の懸念から金利引き下げの余地が限られる中、景気を下支えするために低コストの融資など的を絞った政策手段への依存度が高まっている。
人民銀によると、構造的な政策手段の実施により、金融機関が小規模企業などに対して低い調達コストで融資を増やすインセンティブをさらに与える。
人民銀は4日、石炭の生産と貯蔵を使途とする1000億元相当の融資枠を追加で設定したと発表していた。
すでに、炭素排出削減や技術革新、高齢者介護を支援するための再融資制度も設置している。
人民銀によると、中国の3月末時点での再融資・再割引融資残高は計2兆4700億元となり、前年同時点と比べて5263億元増えた。